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東京3R パトロールビデオ
このレースで、武豊騎乗の①番ゴールドザボーガーがスタート直後外によれて、被害を受けた馬がなんと9頭も出た。この時点で驚きだが、これが降着にならないというのは納得し難い。武豊が騎乗停止になるよりも今回の一件を見過ごした方がJRAとしては総合的にみてファンのためになるとでも考えたのだろうか。
そもそも審議制度について、過去にもローズボーで失格なった伊藤雄師が不服申し立てをしていたが、決定要素が非常に曖昧であり、その不透明さが幾度か問題になってきた。
結局このレースで勝ったのが、出遅れて被害を受けずに済んだレーベンであった(単勝万馬券)。2着ゴールドザボーガー、3着にも不利がなかったキングバッハが入ったということからも、被害馬への影響はかなり大きかったはずである。
日本中央競馬会競馬施行規程の「競争」に関して定められている第10章の中で、レース中の騎乗について触れている第96条によると…
第96条 騎手は、その騎乗する馬のでん端から後続馬の鼻端までに2馬身以上の距離がないのに後続馬の進路に入つてはならない。
2 騎手は、競走中みだりに斜行し、又はだ行してはならない。
3 騎手は、決勝線に至る直線走路において、一度定めた進路をみだりに変えてはならない。4 騎手は、競走中他の馬を押圧し、他の馬に衝突し、又は障害を斜めに飛びこえてはならない。
5 騎手は、競走中充分な間隔がないのに、他の馬の内側に入り、又は他の馬の内側からこれを追い抜いてはならない
第108条 3 第1項第4号、第109条第1項及び第3項並びに第109条の2において「有責妨害」とは、第96条第1項若しくは第4項又は第97条の規定に違反して他の馬の走行を妨害する行為(他の騎手又は他の馬の動作により危険を避けるためにやむを得ず第96条第1項若しくは第4項の規定に違反して他の馬の走行を妨害する行為を除く。)をいう。ただし、これらの行為を行つた馬(以下「行為馬」という。)が、行為馬によりこれらの行為を受けた馬、行為馬によりこれらの行為を受けた馬によりこれらの行為を受けた馬又は以下同様にこれらの行為の加害・被害の関係で行為馬と関連する馬のいずれかによりこれらの行為を受けた場合には、行為馬の当該これらの行為は、有責妨害ではないものとする。
109条 (略) 有責妨害を行つたと認めた場合(その馬の対象被害馬のすべてがその馬より先に決勝線に到達し、かつ、そのいずれもが失格馬でない場合を除く。)は、その馬を降着とする
とあるが、正直これだけでは裁決委員の裁量次第で、実際どうにでもできてしまい、明確な判断材料が定めされていない。今回の件は騎手が故意にやったわけではなく、馬の問題であったという理由から降着にならずに済んだのだろうが(馬は調教再審査)、不利を受けた馬の関係者やその馬を勝っていたファンは納得いくはずがない。さらに第16章第158条では…
第16章 裁定委員会
第158条 裁定委員会の組織及び運営について必要な事項は、理事長が別に定める。
とあるのみで詳細については書かれていない。
裁決委員に引退した騎手をいれるべきだ、とか第三者機関にこの分野を依頼すればいい、という意見が出ているように、もうJRAとしても策を打ち出すべきではないか。現状では公正競馬を謳っている張本人が不公正競馬を認めているという大きな矛盾が生じてしまっている。何よりもファンのために明確なルールの上での競馬を提供するべきである。これがわずかでもファン離れや売上ダウンの一因になるということも考えられなくはない。売上アップのためにCMに力をいれるのもいいが、まずは自らが健全で透明性の高く信頼のできる組織でなければ、競馬というエンターテイメントは成り立たない。公正の中にひとつでも不公正があればそれは掛け算の式の中の0と同じで、そのほかを全て不公正にしてしまう。自らのためにもファンのためにもこれは急務の問題である。